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読書教育の教科書

物語で迷子に? フェーズ5・「長編児童文学期」での読書とは

2026.11.02

物語で迷子に? フェーズ5・「長編児童文学期」での読書とは

自分から本を読んでくれるようになったし、長い本を読み切れる読書の体力もついた。そんなお子さんの成長を見守りながら

「もっとレベルの高い本を読んでほしい、でも難しい本を理解している気がしない」
という期待や不安、もしくは、

「もう本はたくさん読んでくれるし、これ以上レベルアップする必要はあるの?」
といった疑問を持ったことはありませんか?

今回解説するフェーズ5「長編児童文学期」は、『ハリー・ポッター』のようなよりレベルの高い本を楽しく読むために、欠かせないフェーズです。
ここで身につく読解力は、学校や塾で日常的に触れる文章の理解を支え、自分とは違う他者を理解するための土台にもなります。

この記事では、長くて、難しい本もきちんと自分ごとにできるようになるために、「長編児童文学期」ではどのように読書と向き合っていけば良いのかを解説します。

▽ロードマップについて詳しく知りたい方はこちらから!

「長編児童文学期」で読む本はこんな本!

長編児童文学期では、長い物語も理解して読み通す力をつけることを目指して、より長く、難易度の高い本に挑戦していきます。

『思い出のマーニー上』ジョーン・G・ロビンソン・作 松野正子・訳(岩波書店) 『ふしぎ駄菓子屋 銭天堂』廣嶋玲子・作 jyajya・絵(偕成社)

1つ前のスタミナ期では、長い本を読むための「読書の体力」が身につきましたよね。

長編児童文学期に入ると、読めるお話が長くなった分、物語の構造が複雑になるんです。
これらを読みこなす力は、今後のフェーズでも当たり前に求められます。
時間をかけて、しっかりとした土台を身につけましょう。

長編児童文学期の壁

この段階では、内容の理解ができない、共感できないといった壁にぶつかります。
ここでは、お子さんに立ちはだかる壁について3つに分けて解説します。

1. 人間関係の壁

長編児童文学期の本では、主人公1人ではなく、ライバルやその家族、謎の協力者といった主要キャラクターが現れます。そして、5人以上の登場人物がそれぞれの思惑で動き出すようになるんです。

また、「AさんはBさんのことが嫌いだけど、Cさんの手前協力している」といった複雑な人間関係を整理し、さらには記憶するという力が不足していると話を追えなくなってしまいます。

そのため、内容を理解して、それを記憶する作業に慣れておく必要があるんです。

2. 共感の壁

物語を読み進める中で直面するのが、「自分だったらこうするのに、なぜこの人はこんな行動を?」という自分とは違う心への戸惑いです。

例えば、国語の問題には「登場人物の気持ちを答えなさい」という問題がありますよね。この問題を解く際に、他者の心情や描写を受け入れる準備ができていないと、「自分はそうは思わない!」といった答えを書いてしまうお子さんもいます。

このように、お子さんにとって登場人物の心を想像し共感するのは、最初は難しいものなんです。

自分とは違う考え方をスムーズに受け入れるためには、自分の常識とは異なる物語に触れる機会を増やしていくことが大切です。

3. 伏線の壁

面白さの重要なポイントである「伏線」。10ページ目に書かれた何気ない描写が、150ページ目の大逆転のカギになる。長編児童文学期の本では、このような「伏線」が張られるようになります。

したがって、細かい情報を記憶していることが求められるんです。細部を忘れてしまうと、後半が盛り上がったときに「あれ? なんでこうなったの?」と置いてけぼりを食らう可能性も。

このような状況になると、一気にテンションが下がってしまいますよね。つまり、何気ない描写を重要なときに思い出せるかどうかが、読書を楽しむカギになるんです。

「楽しく→たくさん→幅広く」で、難しい本も理解できるように

では、10万文字をも超える複雑な物語を、伏線を追いながら最後まで読み切る力を身につけるためにはどうしたら良いのでしょうか?

長編児童文学期でも、「楽しく→たくさん→幅広く」に沿った読書体験がお子さんの成長を支えます。

1. 楽しく

まずは、10万文字という長さの本を「読み切れた」という自信をつけることが大切です。お子さんの自信につながる最強の1冊を見つけましょう!
そのためには、お子さんが「夢中になれる」「続きが気になる」本を読み、物語の世界を楽しむことが大切です。

もし、物語の途中で迷子になりそうであれば、あらすじを一緒に確認するなどの工夫で、「楽しい」が続くサポートをしてあげましょう。

2. たくさん

10万文字という長さの本を楽しめるようになったら、次は同じくらいの長さの本をたくさん読みます。

長い本でも人間関係や前の出来事を思い出しながら読み進める経験を積むためです。
これによって、しだいに無意識に内容を記憶しながら読めるようになり、物語の途中で迷子にならずに読み切ることができるようになります。

注意したいのは、ここでのゴールは「厚い本を読み切る」ことではないということです。あくまでも、10万文字の本を楽しめるようになってから、「たくさん」に挑戦してみてください。

3. 幅広く

たくさんの本を楽しめるようになってきたら、より広いジャンルの本を読んでみましょう。

多様な物語に触れ、他者の考え方や社会の背景を知ることで、自分の中での考え方を増やすことができます。

自分の常識とは異なる世界を理解するための土台を身につけることが、次のフェーズに向かう準備になります。

時間がかかっても大丈夫。受講生の記録から見るフェーズ5の歩み

長編児童文学期の道のりは、今までのフェーズよりも、時間がかかることがあります。
ここでは一例として、受講生のシオリ(仮名)さんの歩みをご紹介します。

シオリ(仮名)さんは、フェーズ1からフェーズ4までを約6か月で進みました。しかし、フェーズ5を乗り越えるまでには11か月もの期間がかかっています。

シオリ(仮名)さんの読書記録。フェーズ1から4までを約6ヶ月で進み、フェーズ5には11ヶ月取り組んだことを示すグラフ

このようなシオリ(仮名)さんの歩みを振り返ると、お子さんの成長に対して感じるお悩みと解決のヒントが見えてきます。

この期間、お子さんの成長が止まっているわけではありません。長い物語に慣れながら、登場人物の関係性や伏線を追う力を育てているんです。

ですから、フェーズがなかなか上がらなくても焦らず、お子さんの成長をゆっくり見守ってあげてくださいね。

お子さんがこの先の読書を楽しむための土台づくりを

長編児童文学期は、お子さんがその先の読書で、自分の世界を広げていくための土台となる大切な期間です。

ここで育つ力は、さまざまな場面で文章を理解し、将来、よりたくさんの本を深く楽しむ助けになります。

ここでしっかりとした土台を築くためにも、「楽しく→たくさん→幅広く」を軸にして、物語で迷子にならないための力を身につけていきましょう。


▽フェーズ5・長編児童文学期の乗り越え方について解説する保護者説明会を開催します!

11/13(金)11:00〜11:45 フェーズ5・6「ハリー・ポッターを小4までに読む方法とは?」

「この人、誰だっけ?」「前の出来事とどうつながるの?」「この世界のルールが分からない」など、この時期のつまずき方はさまざま。

今回の説明会では、実際の受講生の例を見ながら、どこで読むのが止まり、どんな本や関わり方が次の一歩につながったのかをご紹介。

▽フェーズ5・長編児童文学期を乗り越えたヨンデミー受講生の体験談はこちら

▽前のフェーズ:スタミナ期(フェーズ4)についてはこちらの記事をご覧ください。

▽次のフェーズ:世界を読み解く期(フェーズ6)については今後解説いたします。

▽ぜひ感想をお聞かせください!

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ヨンデミー 編集部