【伸学会×ヨンデミー】先生も、友達も、本を読んでいる。伸学会に聞くヨンデミー活用術
2026.06.05

「あ、その本、私も読んだ!」
「〇〇ちゃんが読んでたから、私も読んだの」
伸学会では、ヨンデミーをきっかけに、教室の中で本の話が生まれています。
「読書に勝るものはなし」
そう感じながらも、塾の中でどう取り入れるかに悩んでいた先生方は、ヨンデミーを活用し、読書に前向きな雰囲気をつくりました。
今回は、ヨンデミー活用の輪が校舎全体へ広がっている伸学会の取り組みについて、自由が丘校の校舎長である江藤先生・中野校の速読を統括している町野先生にお話を伺いました。


目次
- サマリ
- 「読書に勝るものはなし」。でも、どうすれば子どもは読みたくなるのか
- 「その本、私も読んだ!」生徒の反応が起こるヨンデミータイム
- 「みんな、ヨンデミー!」先生たちも混ざって楽しむのが盛り上げの秘訣
- 「友達が読んでいたから、私も読みたい」が教室に広がった
- 自分たちが使って楽しむことが、生徒にとって1番の後押しになる
サマリ
塾の現場で感じてきた課題は、長い文章への抵抗感や、知らない言葉の意味を推測して読めないこと。語彙教材も試してきた中で、先生方は「読書に勝るものはなし。ただ、その読書をどう取り入れるか」に悩んでいました。
そこで、伸学会ではヨンデミーを全校導入。生徒の感想に先生がコメントしたり、複数の生徒が読んでいる本を本棚に置いたりして読書の環境づくりを行なっています。加えて、先生自身がヨンデミーに感想を投稿し、大人も本を楽しむ姿を見せることで、教室全体に本の話が生まれる空気が広がっています。
その結果、「友達が読んでいたから自分も読んだ」という声が飛び交い、休み時間に本を読む姿が見られるように!
「ヨンデミー効果かな」と感じる変化も出てきつつあるようです。
「読書に勝るものはなし」。でも、どうすれば子どもは読みたくなるのか
──ヨンデミー導入前、生徒さんの読書や国語学習について、どのような課題を感じていましたか?
町野:
長い文章を読むときに集中力が続かない生徒がいるのは課題でした。
国語のテストでは、本来であれば文章を読んで机に向かっている時間が長いはずなんです。でも、開始5分もたたずにぼーっとしてしまう子がいる。目線が空を向いてしまうんです。
そういう様子を見ると、文章を読むことに慣れていないのだな、と感じます。
江藤:
私は、とにかく言葉を知らないというのが大きいと思っています。
たとえば、「『水面』を三文字で読むと?」と聞かれたときに、答えられない子がいる。読書経験がある子なら、「みなも」や「川面(かわも)」といった言葉に触れているので、そこから考えられると思うんです。
こういう一般常識のような言葉を知らない生徒が増えてきたなと感じますね。
町野:
授業中にも、「先生、これどういう意味ですか?」と聞かれることは多いです。もちろん聞くこと自体が悪いわけではありません。ただ、本来であれば、知らない言葉が出てきたときに「たぶんこういう意味かな」と予想しながら読むと思うんです。 その過程を経ずにすぐに聞いてくるということは、わからない言葉に出会ったとき、どうしたらいいのかがわからないのだと思います。
──これまでに、語彙力を補うための取り組みもされていたのでしょうか。
町野:
語彙教材を入れたこともあります。ですが、テキストで学んでも語彙が咄嗟に出てくるわけではないんですよね。
やっぱり、読書に勝るものはないと思います。
ただ、その読書をどう取り入れるかが難しい。宿題のような形で半ば強制的に読ませても効果は期待できず、ご家庭にゆだねる部分も多いのですが、塾からどのようにサポートできるか、というのが課題でした。

「その本、私も読んだ!」生徒の反応が起こるヨンデミータイム
ヨンデミー導入に際して取り組み始めた「ヨンデミータイム」では、教室からこんな声が上がることがあるそうです。
「あ、その本、私も読んだ!」
「〇〇ちゃんが読んでたから、私も読んだの」
このように、伸学会では、ヨンデミーが「家でやっておくもの」にとどまらず、教室で本の話が生まれるきっかけになっています。
──ヨンデミーの導入は、目黒校で実施されていた「ヨンデミータイム」からスタートしていると思います。自由が丘校・中野校では、授業の中でヨンデミータイムをどのように実施していただいていますか?
町野:
まずは、生徒が週に何回利用したかを確認しています。感想を書いた回数を見て、取り組み状況を把握して、スタンプを押していますね。 あとは、「本の友」を見ながら、生徒の感想に触れています。

町野:
「この本、読んだことあるよ」「面白いよね」「この感想いいね」と、一言二言コメントしながら見ていくんです。
そうすると、「あ、その本私も読んだ」「〇〇ちゃんが読んでたから私も読んだの」という声が上がることが多いですね。感想にも「友達が読んでいたから自分も読んだ」と書いている子がいたり、複数の生徒が同じ本の感想を投稿していたりします。
ヨンデミーでおすすめされる本も読んでいますが、それ以上に、友達が読んでいる本を読みたい子が多い印象です。
──本の友を見せることで、読書が1人の取り組みではなく、教室の話題になっているんですね。生徒の感想には、先生方も反応されているんですよね。
町野:
はい。生徒たちは、スターをかなり気にしているなと感じました。

町野:
授業中にスターを押そうとしたら、「まだ押さないで! 自分の感想を見てからにして」と言われたことがあるんです。ですから、こちらとしても軽く押すというより、その子のやる気につながるように考えて押していますね。
その代わり、いいねは暇さえあればアプリを開いて押しています(笑)。
江藤:
私もスターは戦略的に使っています。 まだモチベーションを上げきれていない子の背中を押したいときや、久しぶりに投稿した子に「がんばれ」という想いを込めて、押すことが多いですね。
あとは、感想の中に「この後どうなっちゃうのかな?」のように書いて、「読書家のワザ」を感想の中で使っていることをアピールする生徒がいるんです。こうした生徒の頑張りは、ちゃんと認めてあげたいのでスターを押しています。

スターを受け取るために意識する「読書家の7つのワザ」
──いいねやスターなどの機能を、次の読書に向かうための声かけのように使われているんですね。
江藤:
そうですね。
あとは、面白そうな本があったら、「買っておくね」と言って、教室の本棚に置いています。そのほかにも、複数の生徒が読んでいる本や、先生たちが読んで感想を出した本が、教室の本棚に置いてある状態にしています。
生徒が「読んでみたい」と思ったときに、すぐ手に取れるようにしているんです。

──アプリで「面白そう」と思った本が、実際に教室の本棚にある。友達や先生が読んだ本が、教室で手に取れる。生徒が「読んでみたい」と思ったときに本に手が届く環境が、校舎全体の盛り上がりにつながっているんですね。
江藤:
そうですね。
ただ、どんな教材も生徒たちに「やってね」と言うだけでは、なかなかやりません。ですから、まずは先生たちがヨンデミーを使っています。
「自分たちもやっているから、みんなも頑張ろう」
そう生徒たちに声をかけられるように、まず大人が使う。そこは意識しています。
「みんな、ヨンデミー!」先生たちも混ざって楽しむのが盛り上げの秘訣
──先生方もかなりヨンデミーを使ってくださっていますよね。読書習慣に変化はありましたか?
町野:
自分にも読書習慣がつきました。
ヨンデミーを始めてから、「読んで投稿しよう」と思うようになって、読書に取り組む時間が決まりました。自分の子どもに読む姿を見せたいという気持ちがあるので、一緒に移動している時や、夜寝る前に本を読むようになりましたね。
最近だと銀林みのる『鉄塔 武蔵野線』を読みました。予習シリーズというテキストに載っていて、「全文が気になるな」とずっと思っていたんです。ただ、なかなか読む機会がなくて。でも、ヨンデミーでおすすめされて、「じゃあ、読んでみよう」と思いました。

📕町野先生の感想
テキストで読んだ部分まで到着!
鉄塔に番号が振られていることに気づいた主人公。番号をさかのぼって1番の鉄塔には何があるのか、仲間を連れて出発したものの、日暮れが来てしまった。
進むのか、戻るのか。仲間は帰る、主人公は残って進むことを選んだ。という場面でテキストは終了。この後どうなるのかな。
江藤:
私も、平日の午前中には教室にある本を読み、土日に自分の読みたい本を読む習慣がつきましたね。
最近読んだのは早見 和真『問題。以下の文章を読んで、家族の幸せの形を答えなさい』です。一昨年の中学受験で結構出題された文章で、当時の小学6年生が「面白かった」と言っていたんです。それで読んでみました。その他にも、中学受験で出題されたものの中から、面白そうだなと思う本を選んで買うこともあります。
重松清『きみの友達』も何年も前から中学受験で出題されていますが、いまだにどこかの中学校で題材として使われています。

📕江藤先生の感想
中学受験の題材としてよく扱われる作品。
どのストーリーも小学生が共感して読める。 ふと思い立って夜中に2つストーリーを読んでしまったが、途中まで。 続きも早く読みたい!
──中学受験で扱われる本や、教室にある本を、先生自身も読んで紹介しているんですね。
江藤:
そうですね。あとは、教室にある伝記を1章ずつ読み進めて、感想を投稿しています。

📕江藤先生の感想
幕末に日本とアメリカの懸け橋になったジョン万次郎のストーリーを読んだよ。土佐藩出身なので、薩長同盟のきっかけになった坂本龍馬にも影響を与えつつ、咸臨丸に乗ってアメリカに行く時には、福沢諭吉とも仲良くしていたんだね。
「きらきら星」メロディーに乗せて歌う「ABCの歌」は、実は万次郎が日本に紹介したらしいぞ☆
みんな、ヨンデミー!
江藤:
個人的に面白かった本は、感想を上げつつ、授業の時に実際に本を見せます。
「この本がなんとここにあります! この本棚に入れておきます!」 と宣言することもありますね。
──アプリ上の投稿と、教室にある本がつながることで、生徒が「読んでみたい」と思った時に、すぐ手に取れる環境がつくられていますね。先生が投稿する本は、生徒に読んでほしい本が多いですか?
町野:
そうでもないんです。結構、自分の読みたい本を読んでいますね。割合としては、自分の読みたい本の中に、たまにヨンデミーでおすすめされるような児童書が入るくらいです。
以前、大学生の講師が「読む本は小学生向きじゃないから、アップする本がない」と言っていたんです。そうしたら伸学会代表の菊池洋匡先生が、「大人の読書習慣を見せるためのものだから、別に本の内容は小学生向きじゃなくてもいいんじゃないか」と話していて。「先生こんな本読んでるんだ、大人すごい」となるような姿を見せたらいいんじゃないか、と。 ですから、本のレベルなどはあまり気にせず感想を上げています。
──感想を書く時に、工夫していることはありますか?
町野:
ハードル高く感じてほしいわけではないので、変に意識しすぎず、思ったことを書いています。大人でもこんな感じで書けばいいのか、くらいに思ってもらえていたらいいかなと。
江藤:
私は、生徒たちの関心が本に集まるような感想を投稿する試みをしてみました。
人気の本の最新刊が出る時に、予約して校舎に置いておくんです。そして、生徒が学校から帰ってくる15時くらいを狙って、「こちら最新刊が出ました。誰が一番最初に手に取るのでしょうか!?」という感想を投稿して、生徒を焚き付けたことがあります。 小学生がみんな食いつく本でこういうきっかけ作りをすると、効きますよ。
「友達が読んでいたから、私も読みたい」が教室に広がった
──ヨンデミーを導入してから、生徒さんの反応や教室の雰囲気に変化はありましたか?
江藤:
生徒の雰囲気は変わったように思います。 読書に対してネガティブな印象を持っている子は、かなりいなくなったんじゃないかと感じています。教室で本を読んでいる生徒や、カバンの中に本が入っている生徒が増えました。
町野:
中野校も休み時間に本を読む子が増えました。
「この子、本読むんだ」という生徒が読んでいるところも見かけます。 早く塾に来て本を読んでいる子もいますね。
江藤:
自由が丘校の小学6年生の女子生徒たちは同じような系統の本をみんなで読んで、感想を上げていることがあります。恋愛系や推理系の本ですね。そういう雰囲気があるのは微笑ましいです。

──個別の生徒さんで、印象に残っている変化はありますか?
町野:
歴史人物漫画ばかり投稿していた子が、気がついたら活字の歴史人物の本を読んでいたことがありました。あれは嬉しかったですね。
実は、自分自身も、もともと活字の本が得意ではなかったんです。でも歴史漫画はすごく読んでいて。ある時、親に歴史漫画を禁止されて、活字の『織田信長』を読んだことがありました。内容は漫画で知っているので、活字だけで読んだ時にも、シーンが頭の中に立ち上がってきたんですよ。
「ああ、活字の本を読むってこういうことなんだ」と思った経験があって。 その子も、そういう体験をしてくれたのかなと思うと嬉しかったです。
江藤:
自由が丘校では、英語が得意で、英語の本ばかり読んでいた小学4年生の生徒がいたんです。その子が、日本語で書かれた学年相当の本も読むようになったと、面談で伺って「ヨンデミーいいですね」と言っていただきました。
自分に合う本から入って、少しずつ読む本の幅が広がっているのはいいなと思います。
──学習面での効果や可能性については、どのように感じていますか?
町野:
まだ導入して4ヶ月ほどなので、ヨンデミーが直接、という実感は正直まだありません。ただ、先生たちと生徒の様子を話している時に、「ヨンデミー効果かな」と話すことは増えました。
たとえば、長い文章を読む時の集中力が少しついてきたように感じることがあります。 普段だったらだらっとしてしまうような子が、「今日はちょっとやる気を見せてくれるじゃないか」と感じる場面がありました。もちろんいろいろな要因があると思いますが、文字に慣れてきたことは大きいと思っています。
知らない言語の問題を解きなさいと言われたら、きついじゃないですか。でも、それが「知っている単語の羅列だから、読んでみよう」くらいには近づいているのかなと思います。
江藤:
自由が丘校も導入してまだ数か月なので、語彙力や読解力、長い文章への抵抗感について、はっきり効果を言語化するのは難しいです。ですが、読書に「これは自分にとってメリットになるものなんだ」と思って取り組んでいる子が多い印象はあります。
それが、学びに向かう姿勢につながっていくことを期待しています。

自分たちが使って楽しむことが、生徒にとって1番の後押しになる
──最後に、これからヨンデミーを導入する塾の先生に向けて、何から始めるとよいと思いますか?
町野:
自分が使って楽しむことが一番かと思います。 授業で本の友を見ながら、「この本、読んだことあるよ」「面白いよね」と一言声をかける。友達が読んでいる本を話題にする。先生自身も読んだ本を投稿する。 そうやって、大人も一人の読者として混ざっていると、子どもたちも「自分も読んでみようかな」と思いやすくなるのかなと感じています。
江藤:
全く一緒ですね!笑
生徒たちにとって、本を間にしてみんなで共有できる機会は、そんなに多くないと思うんですよね。 けれども、教室や「本の友」がそういう同じ本で盛り上がれる場になっていて、先生も友だちも読んでいるという雰囲気が、読書に前向きに取り組むきっかけになると思います。
▽伸学会×ヨンデミーの取り組みについて詳しく知りたい方はこちらもご覧ください
▽自ら伸びる力を育てる 「伸学会」の公式サイトはこちら


