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子どもの読書、読み聞かせで卒業していませんか?

2026.07.29

子どもの読書、読み聞かせで卒業していませんか?

「昔はあんなに絵本が好きだったのに、どうして?」

小学生になった途端、お子さんが本を読まなくなってしまった。
そんな様子に、戸惑ったことはありませんか?

たとえば、あるご家庭では、「もう小学生だし、読み聞かせは卒業しなきゃ」と、「かいけつゾロリ」シリーズなどの人気の本をすすめたそうです。けれど、お子さんは自分ではなかなか読もうとせず、少しずつ本から離れてしまいました。
結局、関心はゲームやYouTubeへ向いていったそうです。

大人からするとつい、文字が読めるようになると「本や文章も読める」と思って、「さあ次はひとりで読んでみよう」と本を渡したくなります。

でも、ここで少し立ち止まってほしいのです。

お子さんがひとりで本を読まないというお悩みの裏には、読み聞かせの卒業が少し早すぎた、という背景があることも少なくありません。

今回は、お子さんが「ひとり読み」に苦戦する本当の理由と、今日からご家庭でできるサポートをお伝えします。

なぜ読めないの? 読み聞かせと自力読みの差とは

なぜ、あんなに絵本が好きだった子が、ひとりになると読めなくなるのでしょうか。

理由はシンプルです。読み聞かせとひとり読みは、お子さんにとって別の体験だからです。

読み聞かせを聞いているとき、お子さんは保護者さまの声と絵を頼りに、ストーリーを楽しんでいます。動画を見るときのように、受け取る側に回れる時間です。

文字を追うことも、音にすることも、読むスピードを調整することも、保護者さまが引き受けています。だから子どもは、頭の力を「お話を楽しむこと」に使えます

でも、ひとり読みになると状況は一変します。

文字を認識する。音にする。言葉の意味を考える。文脈を理解する。前回詳しくお伝えしたように、読む技術にはいくつものステップがあります。

それを全部、お子さんが自分でやらなければいけません。すると、文字を追うだけで精一杯になり、内容を理解したり楽しんだりする余裕がなくなってしまうのです。

だから本来、読み聞かせから自力読みに移るときは、本のレベルが下がるはずです。

自力読みで、いきなり本のレベルが上がっていませんか?

読み聞かせで楽しめる本と、自分で読んで楽しめる本は違います。ひとり読みで楽しめるのは、文字を追うだけで精一杯にならず、お話を楽しむ余裕が残る本です。

ところが実際には、逆のことが起きがちです。

読み聞かせを卒業した途端、お子さんに渡される文章のレベルは上がります。読み聞かせで楽しんでいた絵本から、挿絵はあるものの文字が多めの児童書をひとり読み用の本として渡されることが多いためです。

さらにわかりやすいのが、小学校の教科書です。第1回・第2回でお伝えした通り、教科書は学年によって、多くのお子さんにとって難しい文章になることがあります。

ひとり読みそのものが難しい。さらに、渡される文章も難しくなる。
それなのに、読み聞かせというサポートまで終わってしまう。

これでは、読む力でつまずくお子さんが多いのも当然です。

逆に言えば、ここを支えることができれば、文章の意味を受け取る余裕が生まれ、お子さんが自分で読みながら学んでいく力も、少しずつ働きやすくなります。

「卒業」はまだ早い! 保護者さまができるサポート

お子さんが読書を楽しめるようになるために必要なのは、もう一度「補助輪」をつけることです。

そのために今日からできるサポートを、2つ紹介します。

① 読み聞かせは読み物の入り口まで、「もういい!」と言われるまでしてください

一つ目のサポートは、読み聞かせを絵本で卒業しないことです。

読み聞かせは、寝る前などに1冊読み切れるような絵本で取り組む。
そんなご家庭は多いですよね。
でも、読み聞かせを絵本だけで終えてしまうと、読む力のサポートが途中で切れてしまいます。

なぜなら、お子さんは保護者さまと並んで本を見ながら読み聞かせを受けているときに、ひとり読みをするときにも必要な文字と音を結びつける練習をしたり解釈の仕方を学んだりしているからです。

ですから、読み聞かせは読み物の入り口まで行ってください。

読み聞かせは、簡単な絵本で終わらせなくて大丈夫です。

「かいけつゾロリ」シリーズのような読み物の入り口まで、読み聞かせで一緒に進んでいってください。

さらに、お子さんが読み聞かせなら楽しめるのであれば、「ハリー・ポッター」シリーズのように、ひとりで読むにはまだ大変な本を読み聞かせしてもかまいません。

年齢も、いくつになっても読み聞かせしてOKです。

小学生になったから終わり、何年生になったから終わり、と決める必要はありません。高校生や大学生にも読み聞かせは効果があるというデータもあります。

指標は、お子さんが「もういい!」と言うまで
自転車に問題なく乗れるようになったら補助輪を外すように、お子さんの方から「読み聞かせはもういいよ」と言われるまでは続けてください。

② 学年にとらわれず、お子さんのレベルにぴったりな本で読書を楽しむ

そして、お子さんがひとりで読む力をつけるには、スラスラ読める簡単な本がおすすめです。

ここで大切なのは、レベルを上げないことです。

ヨンデミーでは、英語多読の理論を応用しています。

英語多読とは、英語の本をたくさん読みながら、自然に英語に親しんでいく学習法です。代表的な教材の1つに、オックスフォード・リーディング・ツリー(ORT)があります。イギリスの小学校でも使われている、短い絵本から始められるシリーズです。

オックスフォード・リーディング・ツリー(ORT)

Yondemy代表の笹沼も、以前、英語多読の講師をしていました。

英語多読では、簡単な本をじっくり読むことが最も学習効果を高める方法とされています。

とにかくレベルを上げないようにする。ごく簡単な絵本を、何度も丁寧に読み続ける。そういうお子さんが、最後に伸びていきます。

日本語の読書でも、スラスラ読めて、お子さんが楽しめる本をたくさん読むことが大切です。お子さんが楽しめる本を読んでいるとき、大人から見ると、簡単すぎるくらいに見えるかもしれません。でも、お子さんはその本の中で、言葉や内容についてたくさん考え、吸収しています。

ですから、焦らずにお子さんが読書を楽しんでいる様子を見守ってあげてください。


今回まで全4回にわたって、「小学校の教科書は、お子さんにとって思った以上に難しい」というお話をしてきました。

「いきなりテストの点数が下がってしまった……」

そんなお子さんも、本当は教科書を読んで理解するところで、「難しい」と感じているのかもしれません。

だからこそ、すぐに難しい文章を読ませるのではなく、お子さんの今の読む力に合ったサポートをすることが大切です。

読み聞かせを続けること。ひとり読みでは、スラスラ読める本を選ぶこと。

そうした支えが、お子さんが教科書を読み、学びを深めていくための土台になっていきます。

▽お子さんの読む力が気になる方はこちらから診断できます。

▽他の回はこちら


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きぬ

ヨンデミー 編集部