教科書を分析したら、子どもがつまずく理由がわかりました!
2026.06.03

「『自然と読めるようになるだろう』と思っていたのですが、うちの子はそこをしっかり強化してあげないといけなかったみたいです」
こちらは、ヨンデミーのご受講生からいただいたお声です。
「いきなりテストの点数が下がってしまった……」
「対策したのに点数が上がらない。うちの子はどうしてつまずいているの?」
そんなお子さんがつまずいている理由は、実は「読む力」にありました。
今回、小学校の教科書を読むために必要な「読む力」を分析したところ、教科書の文章は子どもにとって難しいことがわかりました。
これから全4回の連載で、分析した結果を解説していきます。
📍全4回の構成
・教科書を分析したら、子どもがつまずく理由がわかりました!
・読む力が求められるのはむしろ国語じゃない教科だった!?
・地頭の9割は読む力
・子どもの読書、読み聞かせで卒業していませんか?
第1回は、国語の教科書の分析結果をもとに、子どもが小学校の勉強につまずく理由を明らかにします。
目次
- 子どもは「読む力」が原因でつまずく
- 授業が難しいのではなく、教科書が読めていない?
- ヨンデミーレベルを使って分析する理由──読む力は学年ごとで輪切りにはできない
- 教科書のヨンデミーレベルを大公開!
- 小学1〜6年生、中学生の国語の教科書のヨンデミーレベル
- 小学校の勉強は教科書の読み方で差がつく!
子どもは「読む力」が原因でつまずく
授業が難しいのではなく、教科書が読めていない?
小学校の勉強で子どもがつまずく理由は、授業内容よりも、教科書やドリルの文章が読めていないことにあります。
例えば、教科書に頻繁に登場する言葉も、子どもたちは誤解していることがあるのです。
今井むつみ先生の著書『算数文章題が解けない子どもたち──ことば・思考の力と学力不振』に掲載されている調査結果をご紹介します。
2、3、4年生を対象にした問題です。
問:「ひとしい」という言葉に似ている言葉を選びましょう。
選択肢:「同じ」「大きい」「近い」
「同じ」を選んで正解できたのは、57.1%でした。
「等しい数」など算数の問題や教科書によく登場する言葉ですが、40%以上の子どもが誤解していることがわかりました。参考文献:今井むつみ『算数文章題が解けない子どもたち──ことば・思考の力と学力不振』

このように、大人が当たり前にわかっていると思っている言葉も、子どもは意外と理解していないまま、授業が進んでいることが多いのです。
ヨンデミーレベルを使って分析する理由──読む力は学年ごとで輪切りにはできない
そこで、今回は教科書に求められる「読む力」をヨンデミーが読書教育を届けるために作った指標「ヨンデミーレベル」を用いて分析しました。
🖇️ヨンデミーレベルとは
文章の難しさを表す指標です。
漢字が難しかったり、言葉の意味を知らなかったり、複雑な長い文章を理解する力がまだなかったり……と、レベルが合わないことが原因で子どもは本を楽しめなくなってしまいます。子ども一人ひとりにぴったりの本をすすめるために欠かせないのが「レベル」という観点なのです。
▽ヨンデミーレベルについて詳しく知りたい方は、こちらのページをご覧ください。
本選びをマスター! ヨンデミーレベル解説本選びさえマスターできれば、子どもは読書にハマります。 👀本選びはレベルが大事 子どもの本選びのコツはズバリ! 「レyondemy.wraptas.site
ここで、ポイントになるのが「読む力」のレベルは学年で輪切りにはできないということ。読む力は身長などと同じように、成長に個人差があるものです。
例えば、小学4年生のヨンデミーレベルは27〜46と幅があります。
ヨンデミーレベル27は例えば『くまの子ウーフ』など、46は『モモ』などの児童書になります。たとえ『モモ』が小学4年生向けと紹介されていたとしても、ヨンデミーレベル27のお子さんがいきなり読むと、内容が理解できず、楽しめないことが多いのです。
学年ごとのヨンデミーレベルを表した図

しかし、当たり前ですが、教科書は学年ごとに配布されています。
ヨンデミーレベルが低めのお子さんにとっては、教科書のヨンデミーレベルの高さがつまずく原因になり得ます。
ここからは、小学校の教科書ではどれほどのヨンデミーレベルが求められているのか、見ていきましょう。
▽この先はお子さんのヨンデミーレベルを診断してからお読みいただくのもおすすめです。
ヨンデミーレベル診断はヨンデミー公式LINEにてご利用いただけます。
教科書のヨンデミーレベルを大公開!
小学1〜6年生、中学生の国語の教科書のヨンデミーレベル
国語の教科書を分析したところ、小学4年生では1/3、小学5年生以降は半分以上のお子さんにとっては難しいレベルであることがわかりました。

詳しく説明していきます。
まず、小学校低学年はヨンデミーレベル18〜22でした。これは絵本と同じくらいのレベルです。

それからは毎年5〜8レベルくらい上がって、小学6年生ではヨンデミーレベル48まで上がります。ヨンデミーレベル48というと、「ドリトル先生」シリーズなど。角川つばさ文庫、青い鳥文庫には、このレベル帯の本が多くあります。

先ほどの小学生のヨンデミーレベルを帯で表した図に国語の教科書のレベルを振ると、以下のようになります。

小学3年生ごろから、教科書のレベルに満たない子の割合が増えています。
小学4年生を例にしてみます。
国語の教科書はヨンデミーレベル35で作られていますが、実際の4年生の読む力はレベル27〜46と幅があります。
ヨンデミーレベルが20台のお子さんは、8レベルも上の文章を読むことになり、理解に負担がかかる状態です。ちなみに、ヨンデミーレベルでは3レベル程度の背伸びなら無理なく読めるとされています。
もちろん、少しの背伸びは力を伸ばす良い機会になります。
国語では同じ作品を何度も扱うため、授業に参加する中で徐々に理解が進んでいくお子さんもたくさんいます。
しかし、レベルが離れすぎていると、そもそも文章が頭に入ってこず、つまずきの原因になってしまうのです。
小学校の勉強は教科書の読み方で差がつく!
ここまで見てきたように、教科書のヨンデミーレベルに届いているかどうかが、勉強についていくためのカギになります。
冒頭のご受講生のお話も、教科書のヨンデミーレベルに近づくにつれて勉強に前向きになれた体験談だったのです。
このお話を教えてくださったご受講生はこうも話していました。
「小学校に入ると「読む」という作業が驚くほどたくさん日々に散りばめられているんですよ。教科書、プリント、宿題、テスト……すべて『読むこと』が前提になっているんです」
小学校では低学年のうちからある程度読める子が多いという前提で授業が組まれているため、どの教科も「読むこと」を土台に進んでいきます。
しかし、この前提には意外な落とし穴もあります。
日本ではほとんどの子が文字自体は読めるため、ちゃんと読めていると思ってしまいます。
けれども、「ただ文字を追っているだけで、内容を理解していない」というお子さんは意外と多いもの。そんな隠れた読む力不足に気づかないまま学習が進んでしまうと、つまずいてしまうのです。
だからこそ、お子さんの読む力をサポートして伸ばしてあげることがつまずきの根本的な解決につながります。
文字を追うだけではなく、教科書の文章がしっかり読める状態になると、教科書を読んで学べるようになり、つまずいている子も学習に追いつくことができるのです。
▽第2回は「読む力が求められるのはむしろ国語じゃない教科だった!?」
他の教科も分析したところ、国語よりむしろ他の教科で読む力が前提になっていることがわかりました。


