今井むつみ先生も選書を即購入! 「好きなものを読む」のススメ
2026.09.05

2026年8月中旬、ヨンデミーの選書が大きくリニューアルしました。
コンセプトは、「君の『好き』が一番の原動力!」。
今回は認知科学の第一人者であり慶應義塾大学名誉教授、そしてYondemy顧問の今井むつみ先生に、「好き」を育てる選書を体験していただきました!
認知科学の専門家である今井先生から見て、「好きなものを読む」ことにはどんな意義があるのか?
後半ではお子さんの読解力や語彙力、勉強ギライに悩む保護者さま、必見のレポートをお届けします!
目次
◯「こんな本、あるんだ!」 今井先生も驚いた、関心に刺さる選択肢
◯心地よく読めるレベルで、「好きなもの」をたくさん読もう
「こんな本、あるんだ!」 今井先生も驚いた、関心に刺さる選択肢
選書のリニューアルを数日後に控えた8月某日。
Yondemy代表の笹沼と、Yondemyメンバーのきぬが今井先生の研究室へお邪魔し、新たな選書を試していただきました。
きぬ:
今回のリニューアルでは、子ども自身が「次に読む本」を選ぶ仕組みを採用しました。
今日は今井先生に、実際にどんな本がおすすめされるのかを体験していただきます!
まずは画面にたくさん表示されている本の表紙から、気になる本を6冊ほど選んでみてください。
今井先生:
(画面を見ながら)へえ〜、光るいきもの、キノコ! これにしようかな。
あとは、『ネズミなんびきでゾウになる?』も入れましょう。……はい、6冊を選びました。
きぬ:
次に6冊のうち、『キノコ (光るいきもの)』を読んだと仮定して、感想を出します。
そうすると、次に読む本の選択肢が表示されます。
選択肢はこちら!
『ほら、きのこが…』、『こどもサピエンス史』、『雑木林のコレクション』ですね。

今井先生:
すごい! いいじゃない。キノコの本から、このおすすめが出るんだ。
『サピエンス史』の子ども向けがあるんだね!
ユヴァル・ノア・ハラリ氏の『サピエンス全史』の子ども向けってことだよね?
すごくおもしろそう。『サピエンス全史』を読破できなかった大人にちょうどいいね。
へえ……『こどもサピエンス史』、私ちょっとこれ買おうかな!
笹沼:
今井先生のご関心に刺さりましたか! 嬉しいですね。
こうして本を読んで次の本を選ぶ操作を繰り返すと、その人の興味がどんどんわかってくるんです。
実はこの仕組みを作るとき、実在する書店をヒントにしたんです。
そこではある分野を深掘りしたり、関心を広げたりできるように本棚が組まれていました。
それを見て私たちも、「やっぱり広がる選書が良いよね」と思ったんです。
今は「フィルターバブル」なんて言葉もありますよね。
ショート動画のアプリでは、今見ている動画から関連したものばかりを狭く狭くおすすめしていきますが……。
この選書では、その子が好きそうなものだけでなく、そこから視野や関心を広げるための本もおすすめするんです。
今井先生:
その仕組みをYondemyで作ったの? すごいね。いいじゃない。
心地よく読めるレベルで、「好きなもの」をたくさん読もう
きぬ:
今井先生にお試しいただいて、大人も楽しめるということがわかりましたね!
ところでヨンデミーには保護者さまから、「勉強が嫌いすぎる」「テスト問題が解き終わらない」など、さまざまなお悩みが寄せられます。
「好きな本を選んで読む」ということは、こうしたお悩みに効果があるのでしょうか?
今井先生:
文字を読むことや読解力については、好きな内容の本をたくさん読むことが大事ですね。
それも、心地よく読める難易度の本が良いです。
好きなものの本なら、よく知っていたり、関心があったりするので楽しんで読めますよね。
好きなものの話じゃないと、それは楽しくないんです。
「知らない言葉を読む」ってすごく負担が大きいんですよ。
文字を追っても意味がわからないから、一文のなかで自分が知っている言葉だけを拾ってしまう。
テストでも「問われている内容が何か」を理解できない。
すると、とりあえず知っている言葉をつなげて、連想して答えてしまうんです。

それに文章を読み慣れていない子どもは、そもそも「文を最後まで読む」クセがついていません。
そうすると、テストでもなかなか点が取れない。
でも成績を上げたいから、楽しめない難しい本で読む練習をする。
これは、苦痛ですよね。
それで新しい言葉に出会っても、いわゆる「死んだ知識」になってしまう。必要なときに活かすことができないんです。
生きた知識・死んだ知識
今井先生は、必要なときにすぐ取り出して使えて、他の知識と組み合わせて新たな知識を生むことができるものを「生きた知識」と呼んでいます。
一方でただ暗記しただけの情報は、いざというときに使えない「死んだ知識」になってしまいます。詳しくは、今井先生の著書『親子で育てる ことば力と思考力』をご覧ください。
きぬ:
難しい本を読んでも興味がないと、なかなか身につかないんですね。
今井先生:
まずは自分が心地よく読めるレベルで、内容的にも楽しめるものを、たくさん読む。
簡単でもいいんです。
心地よく読めるものにたくさん触れることで、必ず読解の流暢性と語彙力が上がります。
知っている言葉が増えて、スラスラ読めるということですね。
そうやって、取り入れる言葉の裾野を広げていくのが良いと思います。そうすれば徐々に、読むこと自体が苦痛ではなくなっていくはずです。
きぬ:
なるほど、裾野を広げる。
そのためには、レベル的にもジャンル的にも楽しく読める本が増えていくといいですね。
今回の選書でおすすめされる本は、まさに楽しみながら「言葉の裾野を広げる」のにぴったりかもしれません。
笹沼:
そうですね。提示される3種類には、それぞれ異なる意図があるんです。
好きなものをまっすぐ深める1冊。
好みの芯は同じまま、少しずらした1冊。
ジャンルは大きく変わるが、楽しめそうな1冊。
……まさに、出会う言葉の裾野を広げる機会です。
好きな本を読み進めるうちに、いつのまにか知っている言葉が増えて、文章がラクに読めるようになる。
子どもたちにはぜひ、そんな喜びを感じてほしいですね。

以上、ヨンデミーの新たな選書と「好きなものを読むこと」について、「今井むつみ先生にきいてみた!」 レポートでした。
ヨンデミーの選書リニューアルについて知りたい方は、こちらもぜひご覧ください。
今井先生とYondemy代表の笹沼との対談は、「簡単な絵本しか読まない……。」とお悩みの保護者さまに、ぜひご一読いただきたいおすすめ記事です。


