本を読まないと、学力が伸びない──ヨンデミー×伸学会、読書習慣づくりの挑戦
2026.06.05

「本を読まないと、学力が伸びない」
中学受験対策の現場で浮かび上がる課題に向き合い、読書を学習の土台に据えた塾があります。中学受験専門塾「伸学会」は、目黒校の小学4〜6年生を中心に「ヨンデミー」を導入し、読書習慣を育てるプログラムを開始しました。
たった1ヶ月の実証実験で、週3冊以上読むクラスも登場。その変化の舞台裏をお届けします。

目次
- 読書しない子は「雪合戦」も知らない──語彙力の差が学力の差に
- 読書をしない子は何度も問題文を読み返してしまう……
- 本をたくさん読んでくれれば、それだけでなんとかなる
- 平均で週3冊以上──教室全体に「本が好き」という空気が広がった
- 読まなかった子が読書家になった
- 今後の展望──読書で学力向上を目指す
読書しない子は「雪合戦」も知らない──語彙力の差が学力の差に
「『雪合戦』って、何ですか?」
小学5年生でも、そんな質問をする子がいます──そう話すのは、伸学会代表の菊池先生。

「彼らが「雪合戦」を知らない理由はシンプルで、体験したことがないからです。東京では雪が積もらず、友達と雪合戦で遊んだことがありません。そのため、彼らは物語で登場人物たちが何をしているのかわからず、問題に答えられません」
菊池先生は、こうした質問をするのは読書をしない生徒だと語ります。
普段から読書をする生徒であれば、ファンタジー小説で架空のスポーツを想像するように、実際に体験していないことでも文脈から理解しようとする土台ができています。しかし、読書をしない生徒は、その想像の足がかりになる語彙や経験が欠けています。
「全く想像できない生徒に『雪合戦』を国語の授業で教えるのは無理じゃないか、とずっと感じていました」と菊池先生は言います。
豊富な語彙力が学ぶ力の土台になるというのは多くの研究でも明らかです。授業現場では「雪合戦」のような簡単な語彙でも読める生徒と読めない生徒の差が如実に現れていたのです。
読書をしない子は何度も問題文を読み返してしまう……
読書をする生徒としない生徒との差は、試験の解答速度にも表れています。
伸学会目黒校で小学6年生のクラスを担当する秦先生はこう語ります。
「ある生徒は試験時間中何度も全文探索して、焦りながら問題を解いていました」
小学5・6年生のクラスでは、長い文章を読み慣れていないことが、特に国語の学力差につながっていました。
読書に慣れた子であれば、まず全文をざっと読み、設問を見て「このあたりに書いてあったな」とピンポイントで戻ります。一方、読書習慣のない子は、設問を見るたびに毎回最初から読み直します。すると、当然試験時間の大半を問題文を読む時間に費やすことになってしまうのです。
これでは、国語の授業で習ったことを活かすことができません。長い文章を読み慣れていないと、いつも時間が足りずにギブアップ……国語の点数がとれないことが多いのです。

本をたくさん読んでくれれば、それだけでなんとかなる
「本来は、文章を読むのが苦手な生徒ほど手厚いサポートをすべきなのですが……塾での指導だけでは『読む力』を伸ばすには限界がありました」と秦先生は言います。
国語の授業では「傍線部の前後に注目すれば解ける」などのテクニックを教えることはできますが、読めない生徒の読む力を引き上げる指導は難しいのです。
「本をたくさん読んでくれれば、それだけでなんとかなる場面は多い」──菊池先生もそう言います。
実際、先生方は読書が生徒の力を大きく伸ばすことは経験的にも分かっており、保護者さまからも「うちの子、全然国語が伸びなくて、本も読まないんです」との相談を受けることも多かったそうです。
そんな中で導入されたのがヨンデミーです。
文章を読むのが苦手な生徒にとって、テキストの文章は難しすぎて読み進められず、目で追うだけで理解できません。一方、ヨンデミーでは生徒一人ひとりのレベルに合った本をおすすめしてくれます。今まで読書習慣がなかった生徒も、自分に合った本から読み進めることができます。
レベルが合う本から始めて、少しずつ読む力を育てることが、学力向上につながるのです。
ヨンデミーを導入したクラスの様子。読書に取り組む生徒がだんだんと増えていきました。

平均で週3冊以上──教室全体に「本が好き」という空気が広がった
目黒校では、各学年に合わせた形でヨンデミーの導入を開始。導入後1ヶ月で、小学6年生のクラスでは平均で週3冊以上の読書という驚きの結果が出ました。
教室全体に「本が好き」という空気が広がり、今まで本を読んでいなかった生徒が本を読むようになったり、クラスで「あの本面白かった!」という会話が生まれたりするなど、変化が起こっています。

📍目黒校での導入状況
小学5・6年生:ホームルームで「ヨンデミータイム」を設け、読書状況の共有や本の話題で盛り上がる時間を設定。
※ヨンデミータイム:10分程度で、本の楽しみ方をスライドで学んだり、本の紹介を行ったりする時間のこと。
小学4年生:国語の授業内に「ヨンデミータイム」を設ける。
速読クラス:授業中にヨンデミーのおすすめ本を5分間読書、感想提出。
成果が出ているクラスでは、生徒が読んだ本とその感想が見られる「本の友」機能がよく使われています。
担任の秦先生や、普段から本を読む習慣のあった生徒たちが率先して感想を投稿したところ、以前は本を読まなかった生徒も本を読み、感想を投稿するようになりました。先生や他の生徒から影響を受け、投稿される感想が次第に長く、深くなってきているそうです。
読まなかった子が読書家になった
──保護者さまの声も届いています。
「正直、最初は『受験勉強の時間が削られるのでは?』と不安でした」
そう打ち明けてくれたのは、小学6年生・なずな(ユーザーネーム)さんの保護者さま。導入前は学校の読書課題を締切ギリギリでやっと済ませる程度だったと言います。
💡保護者さまの本音
「導入前は『読書=時間を取られる』というイメージで、むしろ問題集を解いてほしいと思っていました。でも実際には、学校の行き帰りや休み時間などのスキマ時間で読んでいて、勉強時間は減らなかったんです。最近は自分で本を借りてくることも増えましたね。家事をしている私に「この本はね」と感想を話してくれる姿には驚きました」
心配していた「勉強時間の圧迫」は起こらず、スキマ時間が読書タイムに変わりました。友達から「本読んでるね」と声を掛けられることも増え、本人の自己肯定感も上がったそうです。
今後の展望──読書で学力向上を目指す
菊池先生に目黒校での今後の活用についてお話を聞きました。
目黒校では、今後2つの柱で活用を進めていく予定です。
1つ目は、すでに読書習慣がある子には、より深い読書ができるようにすること。
「たとえば、試験問題で登場したお話の全文を読んでみてほしいです。教材で扱う文章は、どれも抜粋です。本1冊を読み通すことで、より深く味わってもらうと、さらに学びにつながるのではないかと思います」
2つ目は、まだ本を読まない子に「読む力」をつけること。
「読書習慣がない生徒にとってはテキストの問題文は難しすぎます。それだと、辛くなってしまうのは当たり前。だから、ヨンデミーでおすすめされる生徒一人ひとりのレベルの合う本を活用します。楽しく読むことで、語彙力も読解力も自然と身につけてほしいですね」
菊池先生は、受験対策を超えた「読書教育」の意味についてこう語ります。「読書が習慣として身についたら、中学受験という通過点だけでなく生徒の生涯においてプラスになるのではないかと思っています。ヨンデミーを長く利用していく中で、そうした価値も生み出していけたらと考えています」
▽伸学会の「ヨンデミー」導入についてのプレスリリースはこちらからご覧いただけます。
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