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選書リニューアルは、休会中のお子さんへの「ガチ伴走」から始まった!?

2026.09.20

選書リニューアルは、休会中のお子さんへの「ガチ伴走」から始まった!?

「ヨンデミーの選書、褒められているけれどいいはずないよね」

「うん、もっとよくできると思う」

そんな会話から、選書リニューアルは始まりました。
その裏側に迫ります。

にわ
選書チーム所属。
ヨンデミー公式YouTubeの『ヨンデミーちゃんねる』を立ち上げたメンバーでもあり、子どもたちが本を読みたくなるような動画づくりに携わってきた。
今回のリニューアルでは、「お子さんのことを知る現場担当」として、実際にご家庭へ伺い、お子さんに本を差し出して反応を見た。
このあいだ、あさいさんの誕生日に、渾身の選書をプレゼントした。

あさい
選書チーム所属。
エンジニアとしてヨンデミー先生の選書を守る番人。
今回のリニューアルでは、にわさんが現場で見つけてきた学びをヨンデミー先生にどう落とし込むかに頭を悩ませた。
にわさんに渾身の選書をもらって、緊張しながら読んだ(すごくよかった)。

【目次】
休会の理由を探れ! 選書リニューアルの始まりは、お子さんへの手渡しの選書
目の前のこの子にできたことを、全国の子に。にわの選書をAIに託すまで。
新しい選書が教えてくれるのは、次の1冊だけじゃない。
おまけ:選書をつくった2人を、つくった3冊。

休会の理由を探れ! 選書リニューアルの始まりは、お子さんへの手渡しの選書

──今回は、選書チームのにわさんとあさいさんにお話を伺います。
社内でも大きな注目を集めた今回のリニューアルですが、結構アナログな方法から始まったんですよね。

にわ:
「そうなんです。お子さんと実際に会って、選書した本を手渡すところから始まっています。リニューアル前の選書は、多くの方からご好評をいただいている一方で、『好きな本が選書されない』という理由で休会されているご家庭もあったんです。そういうお声を聞いて、『褒められているけれど、いいはずない!』という話をしたのが始まりでした」

あさい:
「僕も選書はまだまだよくできると思っていました。ずっとヨンデミー先生を理想の司書さんにしたかったんです。お子さん1人ひとりのことをちゃんと理解して、寄り添ってくれるような存在になってほしかった」

にわ:
「そこで、『好きな本が選書されない』原因を突き止めようと思って、そういった理由で休会中のご家庭に連絡を取ったんです。

初めは、保護者さまとお子さんからヨンデミーの選書の課題を聞くだけのつもりだったんですが……。
お子さんの浮かない表情を見ながらお話を聞いているうちに、『このまま本を嫌いになってほしくない』という気持ちがどんどん強くなっていきました。

僕は、どんな子でも、楽しめる本にはきっと出会えると思っています。だから、『もう1度だけチャンスをもらいたい』と思ってしまって。

いてもたってもいられず、気がついたらお子さんに向かって、『○○さんが読みたいなって思う本を、一緒に見つけるお手伝いをしていいかな?』と提案していました」

にわ:
「そこから、他の休会中の家庭でも同じようにお願いして、6家庭の伴走が始まりました。

──え、1人で6家庭も?

はい。各家庭1回の訪問につき、10冊くらいは用意していったので、読むのが大変でしたね(笑)
それぐらい持っていって、お子さんに色々お話を聞いたのちに、1番『好き!』と思えそうな1冊を差し出していました」

──お子さん1人の、1冊のために10冊を……!? お子さんの「好き」を追求する熱意がすごいです……!

あさい:
「あまりに熱が入っていたので、『にわのガチ伴走』って呼んでいました。

そう、実はこの『ガチ伴走』の中で、今回のリニューアルに含まれる『3冊から好きな1冊を選んでもらう』体験も生まれたんだよね。」

今回のリニューアルでは、おすすめ本を受け取るだけだった従来の選書から、3冊のおすすめからいちばん読みたい1冊を選ぶ体験に大幅に変わりました!

にわ:
「そうです!
当時1冊ずつ選んで、感想を聞いて次の1冊を選んでたんですが、ある日実験的に3冊渡してみると、お子さんがすごく真剣に選んでくれて。そこで初めて、『自分で選ぶ』こと自体が、『読みたい』につながるのかもしれないと思いました」

──そんな偶然の発明だったんですね!

にわ:
「さっきアナログな選書って言ってくれましたけど、この時はもう、アプリ上で再現できるかどうかは一旦すべて脇に置いていました。ただ、『目の前のお子さんに、自分が今できることは何か』ということだけを考えていました。
こういうことを続けていくと、だんだんとお子さんの好みが分かってきました。

そんなある日、忘れられないことがあったんです。

いつものように何冊か本を渡して、『どれが読みたい? どれ借りようか?』と聞いたら、その子が『うーん』と悩んでしまって。
こちらとしては、その子の好みが少しずつ分かってきたつもりだったんです。でも、その様子を見て、『ああ、今回は違ったかな。読みたいと思える本がなかったかな』と思いました。
そう思っていたら、思いがけない言葉が返ってきたんです。

『これ全部借りちゃだめですか?』

……本当にびっくりして。
僕は、どれか1冊でも『読みたい』と思ってくれたら、と思っていたんです。それなのに、その子は、全部借りたいって言ってくれた。

この子にもう1度本を楽しんでほしいと思って、ずっと向き合い続けてきました。全部読みたいと思うほど、本への興味を取り戻してくれるなんて……! それがもう、何より嬉しかったです。

そして、これをヨンデミー先生にもできるようにしたいと思いました。そうしたら、お子さんの『好き』を原動力に、読書の世界をどんどん広げていく。そんな夢のような読書体験がつくれると思いました」

──ここでコンセプトが生まれるんですよね!

リニューアルのコンセプトは「きみの『好き』がいちばんの原動力!」でした。

目の前のこの子にできたことを、全国の子に。にわの選書をAIに託すまで。

あさい:
「にわの選書がお子さんのお墨付きになったことで、いよいよ選書リニューアルがスタートするんだよね。

ヨンデミー先生がお子さんを肩車するこのサムネイルのように、お子さんの成長に寄り添えるような変更がされました!

にわが選書したら、すごいことになる。休会中のお子さんも『全部借りたい!』と思えるような、そんなおすすめができる。
それは証明できたんですよね。

でも、アプリで全国の子どもたちに届けるためには、AIのヨンデミー先生で再現しなくてはならない。それがすごく大変で。『どうやるんだ?』って感じでした」

にわ:
「かなり複雑に考えてましたからね……」

あさい:
「特に大変だったのは、にわの頭の中にある『この子はこういうところを楽しんでいる』という『楽しみ方の型』のようなものを、AIが扱える形にすることでした。
これは単なる本のジャンル分けとは違うもので。

例えば、『冒険物語が好き』という子でも、楽しんでいるポイントは1人ひとり違います。
現実から離れた世界が好きな子もいれば、仲間と助け合いながら困難を乗り越える、友情関係に惹かれる子もいます。

つまり、『冒険』というジャンル名だけでは、その子が本の何を楽しんでいるのかまでは分かりません。
にわの頭の中には、こうした『物語のどこに心が動いているのか』を捉える見方があるんですよね。それを、AIが理解して本選びに使える形へ落とし込むことが、特に難しい部分でした。

だから、とにかくデモをたくさん作りました。試作品を動かしてみては、社内で『これで子どもたちに届けたい体験になってる?』って何度も議論して。直しては試して、また作り直して……」

にわ:
「試作品、本当にいっぱい作りましたよね」

あさい:
「『本当にこれって実現できるの!?』って、ずっと不安だったよね。

でも、だからこそ、たくさんの試作品の中から『これだ!』と思えるものにようやくたどり着いたときは、本当に嬉しかったですね。

『これでやっと選書ができるようになる。みんなに届く!』と思いました。
ずっと手探りで進んできた先に、ふぁーっと、光が差し込んできたみたいな気持ちでした」

にわ:
「僕も、本当にうれしかったです。

一緒に本を探してきた子たちの顔が浮かびました。
『あの子たちと見つけた楽しさを、もっとたくさんの子に届けられるんだ』と思って、本当に嬉しかったです」

新しい選書が教えてくれるのは、次の1冊だけじゃない。

──ここまで開発の裏話を聞いてきましたが、今後の展望についても聞かせてほしいです。

あさい:
「将来的には、保護者さまに『なぜ3冊が今おすすめされたのか』という選書の理由が届くレポートをお届けできたらと思っています。
選書を通して、今のお子さんがどんなことを楽しいと思っているのか、知っていただくきっかけになれるかなと思っています。そこで知ったお子さんの興味から、お出かけ先を決めたり、何かを始めてみたり……そんなお話が聞けるんじゃないかと勝手にワクワクしているところです(笑)」

にわ:
「保護者さまがまだ知らない、お子さんの一面を伝えられたらいいですよね。読書の中での変化も、一緒に喜べるようにしたいです」

──改めて、このリニューアルについての振り返りを聞かせてください。

あさい:
「にわがいなかったら、全く別のものになっていたと思います。最初の伴走から、にわの本への愛、お子さんへの愛、そして冷静に仕組みを考える力に支えられてきました。
今回のリニューアルで新たな選書の基盤ができたからこそ、今後できることも増えた感触がありますし、もっともっとよくしていきたいです!」

にわ:
「あさいさんが、僕が伴走で見つけたものを、みんなへ届けられる形にしてくれました。公開された時は、『やっと届いた』と心底ほっとしました。
今は、実際に使ってくれたお子さんや保護者さまの声から、次に変えたいこともたくさん見えてきたところです。新しい選書が動き出したからこそ、楽しみが増えています!」

──インタビューを通して、お2人の選書にかける熱い想いが伝わってきました。ありがとうございました!!

おまけ:選書をつくった2人を、つくった3冊。

今回の選書リニューアルを支えた3冊をご紹介します。

にわさんが選んだ『ゆうやけにとけていく』

『ゆうやけにとけていく』 ザ・キャビンカンパニー 作・絵 小学館

📚 どんな本?

ジャングルジムで遊ぶ子、悔しくて石を蹴る子、買い物帰りの親子。違う1日を過ごした人たちの喜びや悲しみを、沈んでいく夕焼けがやさしく包み込んでいく絵本です。

にわさんのおすすめ理由
とにかく絵もことばもだいすきです!
読み返すたびにうっとりとしてしまいます。

そしてこの本は「お子さんに本をどう届けたいか」を考え直すきっかけにもなったんです。
私にとって大好きな本だからこそ、この感動を相手に差し出すのではない。まず目の前のお子さんの好みや反応を手がかりにして、3冊をおすすめし、最後はお子さんに1冊を選んでもらう。

お子さんにとっての運命の本との出会いをプロデュースしたい。今回のリニューアルには、そんな想いもありました。

あさいさんが選んだ『IMONを創る』

『IMONを創る』 いがらしみきお 著 石原書房

📚 どんな本?

「IMON」は「いつでも・もっと・おもしろく・ないとなァ」からとっています。この世界で、人間が、いつでも・もっと・おもしろく生きていくために、いがらしみきおさんなりにすべてを解説します。

あさいさんのおすすめ理由
なんだかワクワクするような、かわいい表紙ですよね!

自分にとって難しいことや、初めてのことって、少し自分から遠ざけてしまいがちですよね。でも、そこをむしろ面白がりにいくことによって、もっと楽しく生きていけるのではないか、とこの本では説明しています。

今振り返ってみると、今回の選書リニューアルの「きみの『好き』が原動力」というアイデアは、この本から来ていたのかもしれません。
新しい選書を通じて、お子さんが色々なものにワクワクしていってくれたら嬉しいです!

チームの原点になった『差し出し方の教室』

『差し出し方の教室』 幅 允孝 著 弘文堂

📚 どんな本?

愛してやまない商品や音楽、名産品を、目の前の1人に届けるにはどうすればいいのか。各界の「差し出し手」を訪ね、その距離を越えて想いを届けるヒントを探ります。また、著者自身の仕事も振り返りながら、さまざまな場所での多彩な本の差し出し方を紹介します。

にわさんのおすすめ理由
読書体験というのは、実は、本を読んでいる最中のことだけではないんです。本を読んでいない時間にも、読んだ本のことを思い出したり、次の本に期待を膨らませたりしていますよね。
今回の選書リニューアルではこの読書体験全体について、そこに本来眠っているはずのよろこびへ、お子さんと一緒になって向かってゆきたい。そう考えるようになったきっかけの本です。

ましゅ

ヨンデミー 編集部